さてさて、セシウム(Cs134、Cs134)が食品に含まれる、数十ベクレルの世界とはどんなもんでしょうか。
このあたりのサイト がとても分かり易いです。
簡単にスペクトルを見ると言っても、簡単じゃありません。
カリウム中に含まれるカリウム40(K-40)を多く含む食品だと、また厄介です。
ここの写真 にもありますが、K-40があると、セシウムのところにもピークが現れます。
これは、コンプトン散乱と言って、通常はγ線が電子に変化して検知できるわけですが、電子に変化する時に、また光が散乱して、これも検知してしまう という現象です。
散乱した時のエネルギーは、低くなりますので、計測したい物質の放射線エネルギーより、低い部分に出てしまいます。
K-40は、1400から1510KeVと高いエネルギーなので、コンプトンはその下の方(450から850KeV)に出ます。
これが、Cs-134、Cs-137のエネルギー帯と重なるわけですね。
鉛も放射線を出すのですが、セシウムよりエネルギー帯が低いので、遮蔽箱として使用しても、ある程度無視できます。
と、まぁシンチレーターとセンサーを組み合わせると、色々な要因があるので、頭が痛くなってくるわけです。
あと、周囲の温度でもセンサーの特性が変化しますから、これも考慮せねばなりません。
GX-ZERO-1で温度計を内蔵して、GM管の特性変化を見ましたが、変化はありませんでした。
シンチレーターを使う場合は、確実に温度の影響はあるでしょう。
という事で、「温度補償機能」は搭載せねばなりません。
K-40のコンプトンを差し引く「スピルオーバコレクション」という処理も必要でしょう。
こういう面倒な事を内部で行いながら、見た目は簡単にする・・・これが消費者ニーズですね。
言うが易し、横山やすし・・・ 古っ!
それにしても時間がありません。(涙)
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