2012年9月16日日曜日

セシウム数十ベクレルの世界

さてさて、セシウム(Cs134、Cs134)が食品に含まれる、数十ベクレルの世界とはどんなもんでしょうか。

このあたりのサイト がとても分かり易いです。

簡単にスペクトルを見ると言っても、簡単じゃありません。

カリウム中に含まれるカリウム40(K-40)を多く含む食品だと、また厄介です。

ここの写真 にもありますが、K-40があると、セシウムのところにもピークが現れます。

これは、コンプトン散乱と言って、通常はγ線が電子に変化して検知できるわけですが、電子に変化する時に、また光が散乱して、これも検知してしまう という現象です。

散乱した時のエネルギーは、低くなりますので、計測したい物質の放射線エネルギーより、低い部分に出てしまいます。

K-40は、1400から1510KeVと高いエネルギーなので、コンプトンはその下の方(450から850KeV)に出ます。

これが、Cs-134、Cs-137のエネルギー帯と重なるわけですね。


鉛も放射線を出すのですが、セシウムよりエネルギー帯が低いので、遮蔽箱として使用しても、ある程度無視できます。


と、まぁシンチレーターとセンサーを組み合わせると、色々な要因があるので、頭が痛くなってくるわけです。

あと、周囲の温度でもセンサーの特性が変化しますから、これも考慮せねばなりません。

GX-ZERO-1で温度計を内蔵して、GM管の特性変化を見ましたが、変化はありませんでした。

シンチレーターを使う場合は、確実に温度の影響はあるでしょう。

という事で、「温度補償機能」は搭載せねばなりません。

K-40のコンプトンを差し引く「スピルオーバコレクション」という処理も必要でしょう。


こういう面倒な事を内部で行いながら、見た目は簡単にする・・・これが消費者ニーズですね。

    言うが易し、横山やすし・・・    古っ!

それにしても時間がありません。(涙)

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