2011年12月29日木曜日

チャイナソーセージ J408γプローブ


ご要望にお答えして、チャイナ製GM管「J408γ」プローブを製作しました。
でかいので「チャイナソーセージ」と呼ばれています。

キャリブレーションしてみましたが、ほぼ情報通りの、約630cpm/μSvで良さそうです。
ただ、プラトー電圧は400Vで動作せず、420V程度で安定してます。

輸入元に確認したら、プラトー電圧は420Vの模様で、一安心です。
しかしながらネットの情報では400V・・・個体差があるのか、他の方々の情報が間違っているのか・・・

興味があったのは、γ線のみ感知するGM管という事です。
フランスのメーカーでもあるのですが、それはこの次と言うことで。

試験結果では、確かにβ線は拾わない模様です。
ただ、γ線のエネルギー特性がありそうですね。マントルでのγ線量が少ないです。

Cs線源での確認はまだしていないので、後日確認してみます。

γ線の感度としては、大きいだけあって、SBM-20と比べて実感で3倍程度でしょうか・・・
ガラス管ですので、取り扱いには要注意です。今回は鉄の保護パイプに組み込んでみましたので、よっぽど大丈夫なんですが、気は使います。


  肩たたきに丁度良い大きさですが、やめましょう!

表面汚染用というより、空間線量に向いているかと思います。

2011年12月27日火曜日

iPhoneと繋がらない・・・

GX-ZERO-1はBluetoothを搭載しているので、Android端末やPCと通信してモニタリングする事が可能です。

iPhoneも繋がる・・・・・と思ったんですが、繋がりません。
つい2ケ月くらい前はペアリングできたので安心していたら、iOS5にバージョンアップされた所為か、ペアリングさえできなくなっていました。

   正直、ショックです。

Bluetoothと言っても、色々とプロファイル(規格とでも言いますか)があり、GX-ZERO-1はSPP(シリアルプロトコル)対応なんですが、iOSがこれに対応していないわけです。

   アップルさん、お願いです。対応してください。

SPPに対応してくれるとiPhoneから色々な事が出来るのに・・・もったいないですよ。


と愚痴ってもしょうがないので、急遽WiFiモデル対応中です。
WiFiでアドホックに対応(アクセスポイントが無くても1対1でお話しできるモード)してれば、怖いものなしでしょ!

もちろん、インフラストラクチャモード(アクセスポイント経由)にしてやって、インターネットに繋がっている環境なら、直撃で放射線マップやら、線量のつぶやきなども可能なわけです。

最初から計画にはあったんですが・・・


  無線モジュールは高い。
  無線モジュールは電池を食う。


が一番の問題でした。いや、過去形ではなく、問題です。
あとは設定が面倒ですね。パソコンのネットワークに詳しい方なら大丈夫ですが・・・

この辺りは、どんなシステムでも取り扱い説明書に書いても、わからない人はわからないので、良く考えねばなりません。


Androidの方がプログラムを作る側としては、色々なところに手が届くので良いと思いながら、やっぱりデザインとかはアップルだし・・・

話しは飛びますが、他界したアップルのジョブスが作った「NeXT」という会社のNeXTSTEPというワークステーション(パソコンですが)は、まだ会社にあります!

今のiPhoneのルーツはここにあるんですよ。 ← どや顔風

高額な割りに短命でしたけど・・・ヤフオクに出品したら売れるんかな・・・



さて、アップルさんのおかげで、また年末年始は無くなりました。トホホ。

2011年12月13日火曜日

GM管の寿命

GM管を使用するにあたって、気になっていたのは寿命です。
肝心なセンサー部分が短寿命なら、交換せねばなりません。

という事で標準で搭載するGM管(SBM-20)の寿命は、スペックシートからすると、

20,000,000,000カウント・・・・

通常線量(20cpm程度)ならば、20*60*24*365.25 で割って、約1901年・・・
2000cpmでも19年大丈夫じゃないですか!

外付け可能なLND-712になると、約4753年・・・47年大丈夫です。

まぁ、半分で見積もっても回路さえしっかりしていれば、先に液晶とか、電池とかの寿命が先でしょう。

仮にGM管が故障しても、交換か、外部GM管が装着可能ですので、どちらかで対応可能になります。
これも「GX-ZERO-1」の特徴でありますね。

しかし、SBM-20は安価な割りにそこそこのスペックですが、初期不良が多いです。
不良率は約1割ってとこでしょうか。

もちろん不良なGM管なんぞ装着して出荷なんぞしません。きっちり動作試験して、エージング(連続運転)して出荷です。

2011年12月9日金曜日

アルファ通信さんの件

ゲンダイの記事 ですが・・・

結構一大事じゃないでしょうか。
今まで色々と放射線と向き合ってきましたが、「値が正確じゃないから契約解除」という話し自体に?マークだったわけで、実際は「放射線量を低く表示しろ!」とは・・・

この記事で、びっくりしたのは、

 ・線量計がアメリカ製で、自社製ではなかった事。
 ・日本製の政府が認めた線量計は、2割以上低い値を示すという事。(記事が本当なら)

で、結局政府がこういう方針ならば、日本国内の線量器の「校正」という意味はどこにあるんでしょうか。

実際、事故直後に調査した時には、「1μSv以上からの校正しかできません。」という状況でしたから、既に何がしかのお達しはあったのかも知れません。

やっぱり、自分の線量計で、絶対値ではなく、相対値で判断するのが一番確実なのではないかと思うわけです。

今日の夜のニュースで取り上げられて、どうなるのか、
報道規制が入って、闇に葬られるのか、


アルファ通信さん 頑張ってください。(記事が本当なら)
ついでに、日立さんなんかも、一緒に記者会見してくれると、ありがたいんですけど。



って、他人事では無く、「GX-ZERO-1」の記事になっていない事に気が付きました。
次回から、ボチボチ開発秘話っぽいのを書きます。

今はmicroSDの相性に泣かされてますけど。昔からあるんですよね、この問題。

2011年12月8日木曜日

セシウムの軟ベータ線

GX-ZERO-1に標準で搭載されているSBM-20というGM管ですが、β線の検出エネルギーは大体0.5MeVから3MeV。

一方、セシウム137もセシウム134も22%くらいしか検知できません。
(セシウムのβ線は軟βといい、エネルギーが比較的低いところの分布となっています)

実際、セシウム線源において遮蔽したデータと遮蔽していないデータを比べるとマントルのような顕著な差は見受けられないのが現状です。

 (実測例 ※あえてμSvで表現します)

   遮蔽あり : 1.53μSv
   遮蔽なし : 1.85μSv  ※完全な遮蔽なしではありません。

マントルだと遮蔽なしで10μSvを超えたりしますから。

これがマイカ窓のタイプだと、軟βも結構検知してくれる(80%程度)ので随分と変わります。
明日にでも、再度計測したデータを報告します。

GX-ZERO-1では内部にSBM-20を搭載して遮蔽し、外部にはマイカ窓のタイプを付ける事ができるので、使い分ければ表面汚染を素早く見つける用途に早代わり出来るのが良いですな。

以前載せた「GMペン」も好評で、意外と測定し難い場所でも測れるというメリットもあるようです。


色々ネット上で議論されているβ線ですが、セシウムのγ線とβ線の割合はほぼ1:1で、β線は軟β という事を頭に入れておくと、スペクトラム分析まで行かなくても、何となく核種が区別できるのかも・・・・


という事を考えてると、またまたファームに機能追加をしたくなってくる今日この頃です。
累積線量も、プローブを使って表面汚染を計測した時にも加算されてしまうので、別のモード(表面計測モード)では累積しないようにしようかどうか、ちょっと悩んでます。

作るのは難しくないのですが、使う側からは画面切り替えるのが面倒ですし。


むむぅ。次のファームのバージョンはどこまでの機能を追加しましょうか・・・



っていうより、「今更GM管?」と言われそうですが、ちょっと突っつくと9.999μSvと表示するシンチレータや、蛍光灯で値が高くなるシンチレータもあるんですけど、それよりは全然良いと思います。

GM管って思ったより特許の数がすごいです。

2011年11月30日水曜日

GMペン!?

SBM-20をアルミ遮蔽する前のGMペン(仮名)です。



これは結構面白いです。
簡易表面汚染計測としてなら、充分使えます。雰囲気も出ますし、低い場所で腰を屈める必要もありません。アルミ遮蔽してないから安いですし。

次は中華製の「γチャイナGMペン」を考えてますが・・・本当にγ線のみの検知なのか という不安はありますし、太くて長くてガラスというのが気になります。

まぁ、現在はあまりγ線のみに拘っているわけではありませんので、良いのですが。

LND社のGM管は入手性が悪すぎで、価格も高すぎです。安定感はありますけど。
# 安定感 という表現は適切ではないかも知れません。

「GMペン」は今日も1本旅立ちました。ハンドメイドなので、嫁に出す気分です。(笑)

2011年11月22日火曜日

食料品の汚染度を測定・・・

食料品の汚染度をどこまでGM管で計測出来るか・・・

ネット上でも膨大な情報があり、情報もそれなりに収集してみましたが、現状での結論では、

 ・空間線量が低いところで測る必要がある。(高いところは鉛の分厚い遮蔽箱を利用)
 ・なるべく有効面積が大きいGM管を使用する。
 ・なるべく長時間測定して、バックグランドとの差を見る。

がベースになるわけですが、やはりカリウム40の存在が邪魔ですね。
β線が89%なので、β遮蔽してやらないとカリウム40を多く含んだ通常食品まで汚染物として扱われてしまいます。

セシウムは、β、γがほぼ1:1ですから、β線を計測するっていう手もあるのですが。


通常の米でも30ベクレル/Kg程度は含まれてるので、食品のカリウム40の通常含有量の早見表でも持ってないと、なかなか判断も難しいです。

GX-ZERO-1には記憶媒体が内蔵されてますから、ここに早見表でも入れておけば・・・と現在は考えています。
まぁ、スマホとも連動できるので、スマホ側でやってしまえば事足りるのですが。

問題の計測ですが、バックグランド測定モードと、差分計測モードを使って、係数調整してあげれば一応簡易ベクレル計算(Cs137を基準)は可能です。

ただ、カリウム40が含まれていると、それだけで値が上がりますので、要注意ですね。


カラー液晶が付いているので、センサー部分を変更して、スペクトル分析してやれば核分析まで可能なので、やるならここまでやりたいんですが、専門家向けに商品を作っているわけではないので、今は我慢します。w

シンチレーターとGM管の両方を搭載・・・も考えてますが、シンチレータの繊細なところ(温度や強エネルギー、衝撃、ノイズ等々)が大変です。

自分でやってるより、エステーさんの買ってきてくっつける事考えた方が良いかも知れません。(笑)


しかし、政府はまた規制値を下げるというニュースも見受けられますが、これは一般で測定できないレベルまで下げて、結局時間でうやむやにする という事なんですかね?
それとも、下げて、計測器を民間に配布するんでしょうか・・・

もんじゅの維持費用から見たら、安いかも知れませんが。

あぁ、次回はちゃんと計測したデータを載せます。すみません。

2011年11月17日木曜日

Ludium 2241-2 シンチレーターとの比較

知り合いからLudlum Measurement, Inc.社製のシンチレーターを借りてきました。


で、でかいです、ごついです、軍事用です。


特に、プローブ式のシンチレーターが直径5cm以上、長さが30cmくらいあります。
米国製ですが、取扱説明書は日本語。軽く読み流しても、使い方が分かりません。

何とかCPS表示からμSv表示に切り替えて・・・検知音をONにしたら・・・

ガーガーと鳴りっぱなし。これは音の変化で感じるんでしょうか。説明書には書いてありませんでした。

さて、早速空間線量を測ると、0.091、0.100、0.872・・・

若干高いじゃないですか?


こちらの政府の発表では、0.065とかなんですけど。
じゃあ、マントルでも測ってみますか・・・0.250、0.312・・・

やっぱり、若干高いんじゃないんですか?

HORIBAさんのPAでは、0.22から0.23くらいだったんですけどね。

東洋メディックさんに問い合わせようと思いましたが、自分が購入していないので止めました。
確かに、γ線感度は良いですけど、きっちり校正してるとしても、シンチレーター同士で値が違うのもいかがなものか・・・と思ってしまいます。

「GX-ZERO-1」を2241-2に合わせて、自己校正して比べてみましたが、それほど値の違いはありませんでした。
γ線感度は、これだけ大きなシンチレーターですから、GM管ではかないませんが。

また、その時の動画をUPしますので、ご期待ください。

「30万以上して、シンチレーター方式だから間違いない」という考え方は、今一賛成できません。
GM管方式は、各社値がバラバラと言われますが、シンチレターも低線量域でバラつくのも事実です。


2011年11月9日水曜日

校正に関して聞かれました。

今日はお客様に「GX-ZERO-1」をお見せして、一発目に聞かれました。

「計測値の保障はされてるの?」

「現在は3次校正です。特定の線源で有名なシンチレーター方式の機械と校正してます。」
「病院のサーベイメーターと比較して、高線量のX線での比較もしています。」

アイソトープ協会に出向いて、校正証書でも貰って来れば良いのですが、何せ外付けのGM管もあるので、自社校正するのが一番なんですよね。
基本、有償での校正は行いますが。いや、近いうちにやります。

GM管の校正となると、β線の遮蔽とμSvへの換算係数の調整が主になるわけですが、GX-ZERO-1には、「係数の設定機能」と3種類の計測モードがあるので、自主校正も可能なわけです。

GM管によって変わりますが、0.3μSv以下の値を正確に表示するのは、大変難しいです。
比較的大きなマイカ窓のGM管だと、通常のバックグランド値自体が大きいですし、(これを感度が良いと言ってしまえばそれまでですが)ブレも大きいです。

開発している私が言うのもおかしいですが、「GM管方式のもので、低線量の放射線をμSv表現するのは無理がある」のは事実です。

実際、病院で試験した時は、60μSv、40μSv、20μSvという高線量でした。
1μSvを超えれば、シンチレーター方式とほぼ同じ値を表現できるのですが、この時点で平常な状態ではありません。

という事で、自社校正はしているものの、校正証書なるものは必要であれば取ります。
しかし、低線量での校正は難しいでしょう。有名なInspec○でも結構高いですし、本当にあのステンレスの薄い板でβ線の遮蔽ができているのかわかりません。

β線の遮蔽は3mm厚のアルミでほぼOKなんですが・・・
通常、β線込みで6μSvくらいの線源をアルミで遮蔽してやると、0.22程度。これはある有名なシンチレーター方式のものと、ほぼ同じ値です。

この線源はβ線が多いので、こういう結果なんですが、この数値の違いが世間を騒がしている原因ですね。

GM管方式の場合は、やっぱり表面汚染の計測向きです。さすがに0.2μSvを超える時はピッピピッピと鳴りますから。
低線量はシンチレーター方式でじっくり時間をかけて計測すべきです。
因みにGX-ZERO-1での、バックグランド測定では、0.06から0.08くらいまでですので、こちらの地域では一般的な数字かと。

と、色々説明した結果、半分くらい納得されていました。

http://p.booklog.jp/book/30823 このあたりのサイトが漫画なので分かり易いかと。

2011年11月8日火曜日

カラー液晶への拘り

GM管も頭が痛いのですが、バックライト付きの小型液晶も搭載したいと考えていました。
前回の液晶は、バックライトが無いので、夜になると見えないし。

しかし、CPUのピン数も限られているし、色々と問題が多いんですねぇ。
取り合えず、SPIで接続出来る液晶を見つけたので、これで大きな数値を表示しよう!

と意気込んだのは良いのですが・・・表示速度の問題、消費電力の問題と、取り掛かる前に山積みです。

さて、液晶の表示は上手く行くのでしょうか・・・たぶん盆休みは無くなります。(涙)

2011年11月1日火曜日

GM管を外付けに・・・

まぁ、浮気性なのか・・・大きなマイカ窓のGM管も捨てがたいし、比較的コンパクトで性能が良いSBM-20も捨てがたいし、ウクライナ製じゃなくてアメリカ製のLNDも使いたい。

そんな事考えてたら、何も手が動かなくなるのが技術屋で、たまにはギターでも。w

大好きなマイケルの曲(ジャクソンじゃなくて、マイケルシャンカーですけど)をその気になって弾いていると、まぁケーブルの多い事・・・

ん? ケーブル?

という事で、突然GM管を外付けにしてプローブ式、プラトー電圧を可変にして、あとはソフトウェアのパラメーターで何とかする!

突然のひらめき(いつもの事なんですけど)で、一歩前進。
しかし、ポータブル性に欠ける問題あり。やっぱりSBM-20の内蔵は必須ですわ。

まぁ、GM管の装着を一種類にする事で、ちょっとスッキリしたわけですけど・・・
まだまだ頭が痛い7月の事でした。

GX-ZERO-1の紹介

2011年10月26日水曜日

GM管の選択

本格的に線量計を作る事を決めた時に一番悩んだのは・・・GM管でした。
Inspector+とかで使用されている、比較的大きなマイカ窓のGM管が一番良いのですが。

 ・普通の日本人では入手が困難
 ・日本で買うと高い
 ・箱に収めるのが大変

基板に穴を空けた設計をやってみるものの、今度は電池もでかいし、組み立ても大変。
マイコン、USB、microSD、XBee、Bluetooth、カラー液晶・・・どう考えてもコンパクトになりません。

あぁして、こうして、何とか収まったものの、肝心の操作するスイッチはどうするのか忘れてました。
こりゃ、2枚基板か?

眠れない日々が続きます。

2011年10月25日火曜日

GX-ZERO-1の写真


「GX-ZERO-1」の紹介するの忘れてました。
ご覧のようにカラー液晶で日本語の表示です。

右側の出っ張った部分は、外部のGM管を接続する為のBNCコネクタですね。

内部には「SBM-20」というGM管が装着してあります。
内部と外部は切り替えスイッチで切り替えるんですが・・・通常はどちらかでしょう。

因みに私は、通常の計測は内部GM管で、表面汚染の計測には外部のGM管を接続して試験してます。

多機能なんで、詳細はホームページを覗いてください。もうすぐアップしますので。

http://www.bws.co.jp/Geiger/geiger.html       ← ここ

2011年10月24日月曜日

GX-ZERO-1の開発ブログを始めました。

ガイガーカウンター「GX-ZERO-1」が何とか発売できそうなので、これまでの開発の経緯とか、これからのバージョンアップ等をアップしようと思います。

ついでに「STM32」の開発にも触れられたら良いかと・・・